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古代秀衡椀・浄法寺椀を再生する会
こんにちは。
平泉町は、段々と桜の花が咲いてきています。
4月28日〜5月の連休にかけて、ピークになってくるのでは
ないかなぁ〜と思われます。

平泉町では、5月1日〜5日まで、毎年恒例の春の藤原祭りが行われます。
特に3日は<源義経公東下り行列>が行われます。今年の義経役は、
俳優の中尾 明慶さん
です。中尾さんの主な媒体露出としましては、
TBS「ドラゴン桜」TBS「H2」CX「ウォーターボーイズ2」など
で活躍されています。若い方が町内にかなりくるのではないかと思います。
5日は弁慶力持ち大会、毛越寺延年の舞などが行われます。

さて町内行事の宣伝はこのぐらいにして、本題にうつります。

前にこのブログで書きました、古代の秀衡椀・浄法寺椀を再生する会の
日本産浄法寺漆と秀衡椀<三ッ椀>の木地ができてきまして、昨日みんなで
分け方とこれからのスケジュールを話し合いました。

それぞれの企業で作るとなると利益優先などで問題があり、話し合った結果、本物でいいものを作るには、個人の有志の集まりで、情報交換や技術交流を中心に、親睦を深めながらこだわりの椀を作るほうがいいということになりました。

樽二つがとれたての浄法寺産漆。はかりとヘラで漆を分ける。
漆分けのわっぱの内側を軽くペーパーをかける。


生漆の蓋をあける。
普段使っている中国産漆とは、とにかくまったく違う。
浄法寺産生漆は、さらさらしていて、漆の伸びが良く、
少し甘いいい匂いがします。


生漆は本来、写真のような白っぽいベージュ色をしています。
これが空気にふれると黒っぽくなります。
ただ生漆を塗った表面は、木目が薄く透けます。


左は浄法寺産生漆をくろめたスグロメ漆。
スグロメ漆は、太陽の下で生漆をゆっくり何時間もかけてかき混ぜて、
生漆の水分をとばしてつくります。
生漆が黒っぽくなってくれば完成です。この作業をクロメルといいます。
浄法寺産は透き具合がとにかくすごい。さすが日本一!!
右は生漆。



こちらが今回製作する秀衡椀の三ッ椀。
岩手県工業試験センターに残っている古代椀を基に、センターの
町田さんが図面を製作。旧大野村にある佐々木工芸さんに木地の製作
を依頼しました。佐々木さんは丁寧な仕事で、東北で?1といわれている
木地屋さんです。これとは別に、私が依頼した木地も、今度ブログに
のせようと思います。


こんな感じで一年ぐらいかけて、着々とゆっくり、日本産で岩手県産の
本物の秀衡椀を、製作を楽しみながら完成させたいと思います。
この製作につきまして、今後もブログにて皆さんに報告したいと思います。

それではまた。
| | 漆の話 | 18:39 | comments(5) | - |
仏壇の漆塗装。<またまた新潟の僧侶よりのご注文>
今日は、新潟の僧侶さんより頼まれていました、仏壇
の漆塗装について紹介したいと思います。

漆塗装完成写真

作業途中の写真


前に紹介しました、仏具小台と同じ頃頼まれまして、
ようやく完成をしました。
仏壇の木地については、僧侶さんの持込で、ご自分の
お寺で白木のまま使っていたものを、全面漆塗りにして
ほしいとのことでした。

普通売られている仏壇は、すべてが取り外し可能で、
分解できてバラバラに作業できるのですが、今回の
お品は、接着がボンドでされていたり、鉄釘で止められて
いたりしたので、最初の下処理が大変でした。

作業内容としましては、全体を生うるしで2回ほど下地をし、
屋根をすべて麻布張りにして、鉄釘を竹にして、お堂の内側に
全面金箔をはり、下の格子は金粉を蒔き、扉をうるみ色<黒と朱
を混ぜたもの>・全体を黒漆塗りに仕上げました。

糊漆<だんご粉と漆を混ぜたもの>で屋根に麻布を張り、
サビ付け<砥粉と漆を混ぜたもの>し、その後、3回ほど黒漆を塗る。


内側に金箔。拭き漆をして貼り付けた。




今回は漆塗りのフルコースで、前回同様、今回も半年以上
時間がかかりましたが、丁寧に仕上げることができたので、
満足していただけるものと思っています。
<前回のお品も大変満足していただけたので。>

このような仕事は、本当に自分自身の勉強になります。
技術的にわからないところを、漆塗りの本で調べて、
実際に試して、失敗したりして、全部研いで、ちょっと
変えてまた試して・・・。
正直、思ったようにいかなくて、イライラして、
あたまにくることもありますが、自分のせいなので
しょうがないです。
何よりもうまくいったときは面白くて、それをまたちょっと
変えてアレンジしたりして・・・。

終わりはないですが、漆塗りに関しては、どんな無茶な仕事でも
こなせるようになりたいと思っています。

それではこの辺で。



| | 漆の話 | 11:26 | comments(0) | - |
岩手の漆器<秀衡塗・浄法寺塗>の未来
今回は秀衡塗・浄法寺塗のお話をします。

岩手県漆器協同組合には、国から秀衡塗と浄法寺塗、二つの
伝統工芸品の指定を受けてます。それから日本一・世界一と
いわれる<浄法寺うるし>もこの土地からうまれています。

しかし、全国的にそうかと思いますが、漆器業界の厳しい現状が
組合内にもあるのも現状です。

ブログではなかなか話せないような、いろいろ難しい問題も
ありますが、漆器組合では、ここは原点に戻って、古代の秀衡椀・
浄法寺椀を、古代の方法で復元をしよう!という事で話し合いがも
たれました。この作業を通じて、技術の保存・伝承・職人同士の交流
などになればいいと考えています。

岩手県工業試験センターに保存している、古代のお椀の文様などの
資料を参考に、だいたい一年ぐらいかけて、企画に賛同していただ
いた職人同士で作り上げたいと考えていますので、興味のある方は
楽しみにしていただければと思います。この企画の詳細について、
ブログでも更新していきたいと思います。

それでは。

平泉ホテル武蔵坊にて


| | 漆の話 | 19:39 | comments(0) | - |
漆聖 松田権六 <人間国宝>
先週BSハイビジョンにて『漆聖 松田権六』の
特集が放送されました。
私は昨日、録画した番組を見ましたが、漆に対する
思いが本当に伝わってきて、すばらしい番組だったなぁ〜
と思いました。

1時間半の番組でしたが、松田先生の作品につかわれている
技法の数々を詳しく、先生が実際に作業している映像などを
流しながら、手順なども詳しく解説されていました。
また、うるしの色を発色よく出すための方法や、岩手県の
浄法寺のうるしを好んでつかわれたことなども放送されていました。

それから、ここ平泉町にあります、中尊寺金色堂の修復に
先頭に立って力をそそがれた場面もありました。
私の親父から、祖父もその修復に関わったことを
聞いていましたので、ここ平泉町で松田先生と祖父が
お話をしていたことを想像すると、とても羨ましいなぁ〜
と思いました。

とにかくすばらしい番組で、一度ご覧になってほしいと思います。
再放送されるといいなぁ・・・。

今、石川県立美術館にて、9月29日〜10月29日まで
『人間国宝 松田権六の世界』が開催されています。
番組の中でも取り上げられている作品も展示しているようなので、
ぜひ見に行きたいところです。

石川県立美術館より頂いた広告です。
翁知屋のお店の中においてあります。


それから、朝日新聞社さんから『人間国宝』のシリーズが毎週
出ております。松田権六先生は6月25日発行の雑誌で特集が
組まれておりますので読んでみてください。
この本は500円で、全ページフルカラーで読みやすく写真も
きれいなので、私は毎週楽しみに集めております。

こちらが松田権六先生の特集号の表紙


それではまたまた。

| | 漆の話 | 13:11 | comments(0) | - |
漆塗り<上塗り>
久しぶりの書き込みです。

今日は漆塗りの中でも、最後の仕上げ塗り<上塗り>について
書いていこうと思います。

秀衡塗では、<花塗り>と呼ばれる塗りで仕上げるのが一般的です。
どんな塗りかというと、漆をそのまま塗って、乾かして完了という
単純明快な仕上げです。

しかしこれはホントに難しい塗りです。
ゴミがついてもダメですし、刷毛目が目立つように残ってもいけません。
とにかく、しっとり美しく仕上げなければなりません。

お椀の内側の塗りを朱にしてほしいと注文がきたので、
写真を見ながら、道具などもいっしょに説明していきたいと思います。

まず、漆塗り部屋。
ゴミ、ホコリを入れないため普段は閉めきっている。
漆風呂と呼ばれるもので乾かす。写真<右と後ろ>


漆風呂の中(今回の塗りなおしお椀)


今回使った朱漆。
五日間ぐらいかけて、色具合・乾き具合・のし具合(漆の広がりのこと)
を調合した。
今の梅雨時期は乾きが早いので、すこし遅めの漆をつくる。



ガラス盤で乾き具合をみる。
この漆は、大体丸一日で乾き始め丸二日でがっちり乾いた。


漆道具。
漆刷毛<写真右の三本>の毛は人間の髪の毛。
パーマや染めたりしていない髪の毛を使う。
今回は、塗るのがお椀でカーブが多いので、塗りやすいように、
毛を斜めにカットした刷毛をつかう。
小さい刷毛は、漆が溜まらないように均すために使う。



写真左から<カラスの羽・竹のゴミとり棒・お椀の縁を拭く紙>
羽は塗る前にホコリをほろう。
竹棒は先を尖らせて、塗った後でゴミをすくい上げる。
白い紙は、縁にたれた漆をふき取る。



ヘラと、塗る前に拭いてごみをとる布。


ゴミ箱と刷毛を掃除する油とガソリン。


塗り上げた直後。結構いい具合。
まだまだ乾いていない。
これからゆっくりと時間をかけて乾いていく。


このような道具を使いながら、上塗りをしていきます。
この花塗りは、ホントに難しいです。
まだまだ修行修行です。

少しでも漆についてわかっていただけたでしょうか??
それではまた。


| | 漆の話 | 12:26 | comments(0) | - |
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